デザインコンペ「LIFE DESIGN信州2012」選考結果

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昨年第5回 目で応募総数がそれまでの100前後から一気に350超えと増え、その流れが今回はどうなるか注目されました。
結果、全国から424作品が集まり最多を更新しました。
「提案部門」と「PR部門」 の比率では後者が83%以上、「一般」と「学生」では後者が87%を占めます。
また、「県内」と「県外」では、後者が79%を占めます。ここから、「県外の学生によるPR部門ヘの応募」 が全体の70%を占めるという特質が浮かびますが、 その背景には県外の教育機関で昨年に続き授業の課題に取り上げられたことがある模様です。長野県内の教育機関でもこのコンぺヘの関心が高まっていますが、 もっと県外の学生と刺激し合いながら地域に提案する機会になるよう、益々このコンぺを活用していただきたいと思います。

応募作品の質については、全体としては学生の頑張りが目立ちました。しかし、内容は単に既存の信州の自然や特産品等を描写するに留まり、今一つ型にはまった提案が多い印象も否めませんでした。

「信州の旅にまつわる間題をどう捉え、どのような解決策を提案するか、その様な視点にしっかり踏み込んだ応募が増えて欲しいと思います。やはり一般とのレベルの差は、この点で如実に現れている様です。

以降テ一マが変わっても、地域資源を活かして信州の明るい社会や暮らしを如何にデザインするかを問う姿勢は変わリません。そこを押さえて、提案の質が高まっていくことが望まれます。


2012グランプリ

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「グランプリ」に選ばれたのは、 長野市のデザイナー・中沢定幸さんの「なから雑貨」でした。この作品は信州の何箇所かの地域から新たな視点で見つめ、発想した雑貨をその発信まで含めてト一タルにデザイン提案しています。一つ一つが大変魅力的で完成度も高く、全体として醸し出している素朴な世界観も素晴らしい、特に参加型で県全体に広がる楽しみや期待感が持てることも加点ポイントとなり、他よりも一段抜けた高い評価となりました。


デザイン提案部門賞

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「デザイン提案部門賞」には、長野市のデザイナー・滝澤亮一さんの「信州いいたび手帳」が選ばれました。
これは、 信州各地の様々な様子をシルエットで各ぺ一ジに配し、眺めるだけで旅をしているような気分が味わえる提案で す。思わず手に取ってみたくなるワクワク感があり、アイデアだけなくデザインの実現性も詰められていると、評価が集まりました。


デザインPR部門賞

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「デザインPR部門賞」 には、長野市のデザイナー中沢定幸さんの「須坂モンスタ一絵図/小布施妖怪絵」が選ばれました。これは、 当地にまつわるモンスターや妖怪のイラストを集めた作品です。ディテールまで行き届いた丁寧な表現で良く描けており、思わず立ち止まつて引き込む情報の発信力を感じさせるとの評価でした。


デザイン提案準部門賞

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「デザイン提案準部門賞」には、長野市のデザイナー・轟里歩さんの「そばの実」が選ばれました。
信州の特産であるそばの実を、三角のパッケージに包んだお土産の提案ですが、商品化のレベルが高いまとまりで、買いたくなる魅力があるとの評価でした。


デザインPR準部門賞

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「デザインPR準部門賞」には、長野市のデザイナー・越将俊さんの「一茶の信州ハイキング」が選ばれました。
これは一茶風の俳句とイラストをポスターにした作品ですが、信州らしい雰囲気があって多様な用途に使えそうな拡がり感があるとの評価でした。その点で、ポスターよりも冊子として提案した方が良いのではとの意見もありました。

※今回は特別に、「デザイン提案準部門賞」と「デザインPR準部門賞」を設けることになりました。


学生特別賞

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「学生特別賞」には、長野市の塚田久美子さんの「SHUEN一酒縁一」と、同じく長野市の小山なつ美さんの 「長寿弁当」 が選ばれました。学生の作品には、課題として取り組んだと思われる提案性の浅い作品も多かった中で、今回はそれらとは明らかに違う作品も目立ちました。
この2作品はその代表格ですが、学生のレべル向上が実感できるとの評価を得ました。


ユニバーサルデザイン賞

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「ユ二バ一サルデザイン賞」には、安曇野市のイラストレ一ター・平林淳さんの「森の小片(力ケラ)」が選ばれました。この作品は信州産の木材を葉書程度の サイズにスライスし、お土産にする提案です。旅の思い出を木の”旬い”と”手触り”でより多くの人になるべくリアルに伝えようとするアイデアに、ユニバー サルデザイン視点の配慮があるとの評価で、伝える相手には多様な人が居るとの意識が広がるようにとの思いも込めた選考にな∪ました。


選考委員特別賞

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[岡 正子氏 講評]
以前選考委員を務めた時に比ベ、 全体のレベルが上がっていると実感できました。
また今回は「PR部門」よりも「提案部門」の方に、魅力的な作品が見られたと思います。特に学生の皆さんの作品が充実してきたことを好ましく思いました。
選考委員特別賞には、長野市の学生・古川朋美さんの「信州食の色鉛筆」 を選びました。
信州に行ってみたくなる楽しさがあリ、”色育”という発想も良いと患いました。パッケ一ジ等についてももっと配慮をすることで商品としての完成度が高まれぱ、学生であっても上位入賞できる可能性を感じさせる秀作だと患いました。

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[内田 和美氏 講評]
農業や工業、観光業といった産業分野を越え、思わず周りの人にしやベリた<なるようなデザイン提案を期待していましたが、徐々にできつつあると感じまし た。伴ってこの様な創造性をどのように実現していかかということが益々重要になっているので、今後はそこまで考えその為の課題も含めて提案して欲しいと思 いました。
選考委員特別賞は、長野市の学生・和田舞子さんの「長野の領収書」と、 同じく東福寺彩歌さんの「長野な切符」を選びました。2つとも同じような内容で甲乙付け難く、信州の思い出を形にして持ち帰って欲しいという想いが出てい て、学生としては良く考えられた提案だと思いました。

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[居山 浩二氏 講評]
作品を通じて信州に直接触れ、改めてその魅カを感じることができました。学生の作品では定型的なものも多く見られましたが、やらされ感で臨んでも良いデザインにはなりません。
基本姿勢として、自ら好きになって想いを込めてやることがとても大切だと思います。
良い発想をもっと研ぎ澄まし磨いていくことは末だ末だできると思うので、頑張ってください。
選考委員特別賞には 「デザインPR準部門賞」 と重なりますが、長野市のデザイナー・轟里歩さんの「そぱの実」を選びま した。実現性の高い考えられた提案であることを評価しました。


入選作品

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[コンペ推進委員] ※順不同・敬称略
トドロキデザイン 轟 久志 ※委員長
相澤デザイン室 相澤 徳行
長野県工業技術総合センター 北野 哲彦
OKA学園トータルデザインアカデミー 越 将俊
オリオン機械(株) 相沢 剛伺
(有)デザインスタジオエル 倉林 貴志
(株)エイブルデザイン 小林 弘典
セイコーエプソン(株) 赤羽 学
カシヨ(株) 塚田 文武
長野県デザイン振興協会事務局 五味 英紀

デジタルコンテンツ制作・企画など。