• 信州ブランドアワード
  • 2012.01.21

「信州ブランドアワード2011」選考結果

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ブランドとは商品やサービスを利用して起こる肯定的な印象が、記憶されることで生まれます。その記憶は、商品やサービスに留まらず、その事業者やそれが在る地域にも及びます。つまり地域にとっては、人々に記憶される優れたブランドを持つことで、地域全体のブランド価値を高めることができます。
このアワードは、信州の優れたブランドを選考して地域の魅力を高めるブランドづくりを促進し、信州全体のブランド価値の底上げを目的に2004年に始まりました。重ねて今回が8回目です。「志向性」「表現性」「情報伝達性」「地域性」「継続発展性」という5つの選考指標を用いるのが特徴で、前回までに入賞したブランドは延べ97になります。振り返るとそれらは個々に輝きを放ち、信州の今の魅力を構成していることが判ります。また、後発のブランドづくりの具体的な基準にもなっています。

今回の選考では、先ず公募と推薦で挙った26のブランドをノミネート委員会で13に絞り、選考委員会に諮りました。審議の結果、最終的に「ソラリス」「野沢温泉スキー場」「安養寺ら〜めん」「信州サーモン」「サイベック」「長野県観光PRキャラクター〝アルクマ〟」「渋温泉」「丸山珈琲」「戸隠キャンプ場」 「HAMANO」「大鹿歌舞伎」「信州上田フィルムコミッション」の12ブランド(順不同)が入選となりました。
そしてその中から、総合的に最も評価の高い「大賞」、特定の指標で評価が高く大賞に準ずる「特別賞」、特に地域で力を合わせ社会公益性がある「長野県知事賞」の各賞を選考しました。



 

 

結果「大賞」に輝いたのは、「信州サーモン」でした。これはニジマスとブラウントラウトを組み合わせ、長野県水産試験場で10年余の歳月を掛けて生まれた養殖魚です。美味しく、姿も美しく、品質が一定、病気に強く、成長も早いという夢の魚で、稚魚は長野県の生産者のみに供給され、当地でしか味わえません。信州ならではの食材を提供したいという「志向性」、県下の宿泊施設・飲食店等と協調して普及を進める「地域性」、品質を維持向上させて信州を代表するブランドにするよう信州サーモン振興協議会を設立して活動している「継続発展性」等によって、総合的に最も高い評価になりました。

「特別賞」には、「野沢温泉スキー場」「長野県観光PRキャラクター〝アルクマ〟」「大鹿歌舞伎」の3つが選ばれました。
「野沢温泉スキー場」は大正13年に設立され、以降昭和25年には村民総出でリフト建設を行う等、一貫して村民の手で受け継がれ、育てられて来たスキー場です。スキーを村の主要産業とし、本物のスキーリゾートを目指して一丸となって進もうとする「志向性」、日本のスキー発祥から100周年の中で常にその中心となり、温泉、野沢菜、鳩車、道祖神火祭り等の文化も含めて広めてきた「地域性」等が、「大賞」に拮抗する評価を得ました。

「長野県観光PRキャラクター〝アルクマ〟」は、2009年に「JR東日本の信州デスティネーションキャンペーンのイメージキャラクター」として誕生しまし た。翌年の同キャンペーンではそれを大いに盛り上げ、以降も「長野県観光PRキャラクター」として活躍しています。リンゴを頭にかぶって信州らしさを表し、赤と緑のビビッドな2色使いで人目を引き、追っかけファンも現れる「表現性」、親しみ易いゆるキャラとして自身で強い発進力を発揮しながら、観光ポスターやパンフレット、ウェブサイト等多数の媒体に多く露出している「情報発信性」等が評価されました。

「大鹿歌舞伎」は、江戸時代から行われ300年余の歴史がある大鹿村の地芝居で、祭典の奉納歌舞伎として独特の型や演目が伝承されています。近年、映画「大鹿村騒動記」のロケ地となる等各種メディアでも広く紹介されるようになりました。娯楽の少なかった山村の歌舞伎は、村人の暮らしの活力にもなって来ました。 戦争や大災害に見舞われても途絶えず、村の宝として大切に守り育てて行こうとする「志向性」、小中学生を育成したり、大鹿ならではの芝居の楽しみ方を貫こうとする「地域性」等に評価が集まりました。
そして「長野県知事賞」には、「信州上田フィルムコミッション」が選ばれました。大正から昭和初期上田地域で養蚕が活況だった頃、富裕層や豪農が最新の娯楽だった映画に魅了され、同地でロケ支援を始めました。そのため当地では多くの名作が撮影されましたが、その後養蚕の衰退に伴い停滞してしまいます。しかし、2001年頃全国でフィルムコミッション設立の動きがあり、上田市も上田観光コンベンション協会の事業として、「信州上田フィルムコミッション」を設立し再興に着手しました。結果全国でも稀な約90年余の歴史があるロケ支援地となり、現在に至ります。ロケ地支援を地域のPRにつなげるという、フィルムコミッションの先駆けとなった「志向性」、上田地域全体を「屋根のないスタジオ」に見立て、多くのロケ地を整えている「地域性」等が、今後の展開への期待も入って高い評価となりました。
全体では、前回はノミネートしたブランドの内から5つの辞退がありましたが、今回は一つもなかったのが何よりでした。

また、今回はゆるキャラというこれまでに無いタイプのブランドが出る等、全体として扱うジャンルに広がりが見られました。これもこのアワードが県下に浸透した結果であるなら、好ましい傾向と思います。
反面それは、商品やサービス、企業や組織、地域や自治体といった異質なものを同列で比較するということで、選考を難しくしているとの指摘も出されました。例えば、先ず適切な分類で部門賞を設け、その後最も優れたものを選ぶといったやり方等、具体的な案もありそうです。逆に細分化し過ぎると本末転倒との意見もあるので、含めて今後選考方法を検討・改善しながら進めて行けたらと思います。

その他、本県の主要産業である製造業は独自の商品を提供するより技術を提供するといった性格が強いので、商品やサービスと共に技術をブランドの対象に加えた らどうか。また、県下で行われている同種の賞も他にあるので、上手く棲み分けをして相乗効果を発揮できるようにした方がよい。更に、入賞以降も更にブランドとしてPDCAを回し、信州の魅力付けとして機能して行くよう促すことも大切。そして、女性の視点や感性も大切なので、選考委員に加えたらどうか、といった意見も出ました。これらも、なるべく前向きに取り入れたいと思います。

グローバルな経済環境は波乱含みで変わり、震災の復興という国を挙げての懸案もあって、長野県の産業も以降益々厳しさを増しそうです。そんな中で他にはない 魅力と個性を放ち、県全体の活力を持続させるには、言うまでもなく豊かな地域資源を活かして優れたブランドをつくり、もっと積極的に発信することがとても大切になります。このアワードによってこれからも県下にそのような認識が広がり、オール信州でそれを実践する原動力になれば誠に幸いです。

またこのアワードは、このような想いを共有する企業や個人の献身的な尽力によって支えられています。今回も携わっていただいた各位に、この場を借りて心より感謝申し上げます。


 

[信州ブランドアワード2011選考委員] 順不同・敬称略

信州ブランドフォーラム開催実行委員長 深沢賢一郎 ※委員長

(社)長野県経営者協会 参与 関安雄 ※副委員長

長野県企画部企画課長 岩嶋敏男

長野県地域資源製品開発支援センター 総合プロデューサー 鈴木進

法政大学大学院 教授 中嶋聞多

(財)長野経済研究所 調査部長 小澤吉則

長野県デザイン振興協会 常任理事 土屋修三

[信州ブランドアワード2011ノミネート委員] 順不同・敬称略

ノード・サイン 代表 中村節 ※委員長

長野県企画部企画課 早川恵利

長野県商工労働部経営支援課 芹沢隆史

長野県観光部観光企画課 村上裕紀子

長野県農政部農業政策課農産物マーケティング室 細田善宏

長野県工業技術センター環境・情報技術部門 小林耕治

信越放送(株)テレビ局営業戦略部長 茶鍋久美子

カシヨ(株)企画開発部 塚田文武

(株)ながのアド・ビューロ業務推進局次長 戸谷英俊

(株)電弘企画開発局長 早川一夫

ISTコンサルティングLLP 吉澤裕樹

長野県デザイン振興協会 事務局長 五味英紀

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