• LifeDesign信州
  • 2014.11.19

デザインコンペ「LIFE DESIGN信州2014」選考結果

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「信州+北陸〜新デザインの可能性〜」をテーマにデザイン作品を募集・表彰
「LIFE DESIGN 信州」は、信州の地域特性を活かした信州ならではのデザイン提案を募り選考するデザインコンペです。
毎回設けるテーマに沿って、
・信州の生活を豊にするモノ(商品やサービス)を提案する「デザイン提案部門」
・信州の魅力的な情報発信を提案する「デザインPR部門」の2部門で募集します。

北陸新幹線の金沢への延伸を2015年3月14日に控え、今後は長野県の地域経済の活性化が期待される一方で、
北陸地域との産業・観光面での連携が重要になってきます。
「LIFE DESIGN 信州」では過去7年、信州に関するテーマで作品を募集してきましたが、今回は北陸地域と連携し、
「信州+北陸〜新デザインの可能性〜」というテーマで、信州という枠を越えた新しいデザインを募集しました。
結果、全国からデザイン提案部門・デザインPR部門合わせて132点の作品が寄せられました。

「LIFE DESIGN 信州2014」全132応募作品の内訳は以下の通りです。
「デザイン提案部門」合計:87作品(一般応募:26作品 学生応募:61作品)
「デザインPR部門」合計:45作品(一般応募:26作品 学生応募:19作品)

2014グランプリ

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相澤 徳行(長野県)相澤デザイン室

信州・北陸の旅
「日本酒」は、その土地の米や水によって品質が大きく左右されます。そして永く地域に根付き愛される名蔵の技術。つまり日本酒は地域性をとてもよく表しているモノだと思いました。
モチーフは酒瓶です。それを、信州から北陸まで延びる「新幹線」をイメージさせるようなビジュアルを作成しました。新幹線独特の流線型・色み・光り具合が酒瓶の中に見て取れたのです。新幹線を使って、その土地自慢の日本酒を飲み継いで旅をするようなイメージです。

このポスターを制作するにあたり、各県を代表する4つの酒蔵さまには快くラベルの使用を許可いただきました。この場をお借りしお礼申し上げます。本当にありがとうございました。


デザイン提案部門賞

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轟 理歩(長野県)Reach

Sanmyaku Jyogi-山脈定規-
お米や野菜などの農作物や、漆器などの伝統工芸が有名な長野、富山、石川の3県。農作物はもちろん、漆器等の工芸においても、水や風土など自然環境はとても大切で、この3県には、その豊かな自然が残されています。その中でも長野「北アルプス(飛騨山脈)」、富山「立山連峰」、石川「白山連峰」などの3,000m級の山脈は、豊かな自然環境の源であり、山々から流れる水はは農作物を育て、肥沃な土壌じゃ、漆器の原料となる木を育みます。その山脈を象った「Sanmyaku Jyogi-山脈定規-」は、定規として使用することはもちろん、使わないときはインテリアとしてデスクなどにディスプレイ。裏面には山の名前と標高も刻印されており、山を覚える勉強もできます。大切な「山」の存在を普段から近くに感じられ、人とのコミュニケーションツールとしても使用できる定規です。


デザイン提案部門賞

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内山卓也(長野県)有限会社スタジオBE

寒天菓子 hakkei
北陸新幹線の長野〜金沢間の8駅それぞれをイメージした寒天菓子です。
生産高日本一を誇る長野茅野市の天然角寒天を使用し、8駅の特産品や風景と組み合わせました。
8駅それぞれに興味を持ってもらえるきっかけになればという思いを込めています。

[長野駅]
善光寺と鳩[飯山駅]
菜の花[上越妙高駅]
苗名滝[糸魚川駅]
翡翠[黒部宇奈月温泉駅]
黒部ダムとトロッコ[富山駅]
白えび


デザインPR部門賞

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中原謙一(長野県)ZERO ICHI

時は流れる 伝承される iTONAMi
信州と北陸各県には独自の営みがあり、その土地ごとの文化が今も残されています。
その「営み」の一つがまつりだと思いました。
時の流れ、信州の山並み、富山湾のさざ波、風情ある金沢の街並み。土地土地の特徴を「波」のフォルムに凝縮し、「iTONAMi」というコンセプトLOGOを作りました。
おのLOGOのパーツを組み合わせて、信州と北陸各地の「祭り」を表現しました。


デザインPR準部門賞

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廣田 義人(長野県)机の上


北陸新幹線が開通すれば、北陸と長野がとても近くなるのだと思います。山と海を日帰りで楽しめたりするんでしょうね。文化の交流も進んで、今までに無かった物が生まれたりするんでしょうね。お寿司食べたい。


ユニバーサルデザイングランプリ

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二木 絢菜(長野県)長野大学

おくり弁当箱
このお弁当箱は親が子へ大切な想いを込めておくるものというのを目的としています。そこで、長野県の木であるシラカバを使った温かいお弁当箱を作りました。
シラカバで作られる食器類は結婚祝い、出産祝い、大切な人へのおくりものとして、親から子どもへ受け継ぐという伝統があります。
ブリもお祝い事に食べるものであり、ハレ食として親しまれています。

子どもの成長に合わせて使ってもらうように5つのサイズをデザインしました。
色がついている部分は信州と北陸の間にある山を表現しており、ふた(上)でその2つの地域が新幹線で繋がりよりより仲良くなったということを表しています。
花はお祝い時の花束をイメージしています。太陽と花は色をつけるのではなく、木材本来の性質を活かしてほって描きます。

おくるものには”筒むコト”が必要です。そこで、お弁当箱と逆にシンプルで落ち着いたネイビーを使ったオリジナルフキンを考えました。
《包み方》
端のポケットがある方をお弁当側に折りたたみ、リボンを結ぶだけです。

大切な人への気持ちがこの弁当箱に詰まってる。


ユニバーサルデザイン賞

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学生グランプリ

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特別学生賞/学生特別賞

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選考委員特別賞

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入選作品 dd11

[選考委員講評]

佐合 ひとみ氏(グラフィックデザイナー)株式会社佐合ひとみデザイン室 代表
「第2回の本コンペでも選考委員をいたしましたが、今回はその時より非常にレベルの高い作品が集まっていました。
ひとつの地域に限定せず広げることで『繋がり』ができているのだと思います。
その意味で良いテーマ設定でありますが、応募される方々は作品の制作に非常に悩み、苦労されたことと思います。
だからこそ、そのハードルを越えたとき素晴らしい作品に仕上がっているのでしょう」

 

志甫 雅人氏(事務局長・チーフディレクター)公益法人石川県デザインセンター
「『信州+北陸』というのは難易度が高く良いテーマ設定であったと思います。そのようなテーマに対して選定された作品は非常に秀逸
であると言えます。
作品に関しては、PR部門は提案力を含めて心に響くものが多くありましたが、提案部門に関してはもう少し頑張る必要があると感じました。
これは今回のコンペに限らず石川県でも言えるのですが、グラフィックの力が高まっているのではないでしょうか。」

 

はせがわ さとし氏(グラフィックデザイナー)株式会社D-NET代表取締役
「このコンペの入賞作品が、提案部門であれば商品化されヒット商品として社会から注目され、
PR部門であれば関係する事業者とタイアップして実際のプロモーションに採用されるような仕組み作りを期待しています。
意識していると、必ず実現できると思いますし、私たちも様々な形で協力できると考えています。
このコンペの選考委員に加わり、いろんな気付きや学びがありました。是非これからも頑張って継続して下さい。」

 

内田 和美氏(プロダクトデザイン教授)富山大学 芸術文化学部
「初回のコンペから選考委員として参加していますが、今回は大きなジャンプだったと思います。
今までは『信州』の枠のなかで内向きに共有したりプロモーションをしていましたが、今回は『信州』と『北陸』を組み合わせることで、外に向かって『信州』を発信でき、また『信州』の外の人たちと交流が生まれたりしています。
この機会をビジネスのチャンスに繋げるなどして、本コンペをより有意義にしていきたいと思いました。」

 

長野県デザイン振興協会ユニバーサルデザイン研究部会
※ユニバーサルデザイン賞・ユニバーサルデザイン賞グランプリの選考
「ユニバーサルデザイン(以下「UD」)をあえて簡潔に言うと『使い手や見るものを選ばず、多くの人が理解し得る配慮がなされており、安全で且つ美しい』という、
ある意味デザインにおける理想論的な表現になるでしょうか。
UD賞グランプリの『おくり弁当箱』はそれらの点が高評価で、地域性も感じられる楽しい提案でした。
本コンペを通じて『信州+北陸』デザインが、より多くの人に『伝わり、使われるよう』、UDの更なる理解と普及に努めていきたいと考えます。」

 

[コンペ推進委員] ※順不同・敬称略
轟 久志   トドロキデザイン (委員長)
相澤 徳行  相澤デザイン室
北野 哲彦  野県工業技術総合センター環境・情報技術部門
越 将俊   OKA学園トータルデザインアカデミー
相沢 剛伺  オリオン機械(株)
倉林 貴志  (有)デザインスタジオエル
小林 弘典  (株)エイブルデザイン
塚田 文武  カシヨ(株)
辻 圭介   長野県デザイン振興協会 (事務局)

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