
産業のグローバル化に伴う製造の空洞化や雇用機会の低下などにより長野県下でも先行きの懸念が広がる中、更なる産業・社会の発展に向けてこれまで以上に地方の独自性や創造性を発揮することの重要性が提唱されるようになりました。
そのような情勢を背景とした2001年春、「県下で分散して活動してきたデザイン関係団体は、この機に協調して力を合わせるべき」との見解が「長野県デザイン協会」より示されました。
それに呼応した「長野県デザインフォーラム」、「信州デザイナーズユニオン」、「松本デザイン交流会議」、「長野県コンピュータグラフィックス研究会」を合わせた5団体は、長野県経営者協会、長野県商工会議所連合会など産業界や行政の関係各位 にもご協力をいただきながら検討を重ねた結果、2002年7月にそれらを再編・統合し新たに「長野県デザイン振興協会」を設立することになりました。
以降、21世紀に発展する独創的な長野県を見据え、それに大いに貢献できる地元のデザイン業を振興する活動を、連携と協調を広げながら進めて参るところです。

昭和30年代中ごろ、東京でデザインを学んだ若手のデザイナー達がふるさとに帰ってきて、当時のデパートや放送局、新聞社などの仕事をし始めたころから、長野県のデザイン活動が本格的に動き出しました。
長野県デザイン協会が、県や商工会議所などによって設立されたのもそのような動きを受けてのことです。その後、工業デザインを研鑚するグループや、デザインとの接点を幅広く市民に広げることを狙った松本のデザインキャンプの組織もできました。
今日ではデザインは、商業、工業、建築、映像、生活、街づくりなど私たちの身の回りすべてに深く関わっています。そして、それぞれの分野でグラフィック、プロダクト、アーキテクツとデザインも発展してきています。デザインは、作り手側の産業と言う分野だけではなく利用側の生活という分野からも非常に大切な存在になっています。
デザインに携わる人たちからすると、デザイン産業は必ずしもそのステイタスや仕事の内容などまだまだ充分なものとはいえません。デザインを産業の中でより高いステイタスに押し上げ、有力な産業に育てていくためには、優秀なデザイナーやディレクターといったスタッフの育成とともに、デザインをビジネス遂行の重要な経営資源として位置付ける経営意識を持ってもらうことが必要です。このことが、長野県の産業振興にデザインが大きく貢献する鍵であると思います。
また、デザインを利用する人たち(生活者)の立場からすると、デザインは材質、使い勝手、目に映る感じなどさまざまな要素によって利用者と直接的に触れ合いながら生活の場を提供します。デザインが、長野県の県民生活向上に役立つ所為がここにあると思います。
デザインは、今や一部のデザインに携わる人たちだけのものではありません。生活者に支持されているか、産業の発展に貢献しているか、地域社会にとって必要とされているか、それが新しい長野県デザイン組織の再編が必要であると痛切に感じたところであります。これらの課題に応えることのできる組織が求められていると確信します。
2002年7月5日


順不同、敬称略
長野県デザイン振興協会H22&23役員名簿
長野県デザイン振興協会会員名簿